ゲーム以外の雑記(井上明人)

最近は、ほとんどキーボードの話をしています。

自分向け引っ越し意志決定支援Excel ~引っ越し先が決められない夜のために~

 今、住んでいるアパートがとりこわしになるので引っ越しすることに。

 次にどこの駅に住むべきだろうか…ということを「家賃相場」「職場への近さ」「使い手のある図書館の有無」「24時間営業ファストフードの有無」「実家への近さ」etc...を変数としていれこみ、変数に重み付けもして、候補として考えられる57個の駅を検討してみた。*1

 1時間以上かけてExcelを作成し、個人的な選好をきっちりと表現できるような「住みたい場所」係数をつくりあげて、ソートしてみた。

 その労作の結果…

 

 なんと…

 一位に来た駅は、1位、新宿、2位 渋谷…!

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 ………

 ………

 ………!

 そんなことExcelくんに、教えてもらわなくても知ってた!

 人気だよね!渋谷と新宿!

 …さすがにこれは使い物にならないとおもって、そのあと、それぞれの変数の重み付けを変えて何度かやってみたら、ちょいちょい並び順を自分の意図したい方向にもっていくことができた。そしたら、まあ一応、大岡山が第一候補に。大岡山の駅に降りてみて、東工大の図書館に寄ったり、駅前のマックによってみたりしたら、まあ確かに良さげな感じだったので、5月前半に大岡山に引っ越すことにしました。

 で、このExcel

 知人のインテリアデザイナーの方にみせたら、「これ、応用したら、質問に答えているだけで、自分の次に住む部屋が自動的に表示されるとかいうプログラム作れるんじゃないですか?」的なたいへんポジティヴな意見をいただいたので、せっかくなので、自分向けに作ったExcelを晒しておきます。(あくまで自分向けExcelでしかないので、Excelの作り方、程度の部分しか参考にはなりませんが)

↓実際につくったExcelファイル。「重み付け」の数値を変えて並べかえると、計算式に反映されて、総合係数の値が変化します。

http://www.critiqueofgames.net/others/data/relocation.xls

https://spreadsheets0.google.com/ccc?key=tIyFd__ss54r63ci-DEq8nQ&hl=en

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 まあ、確かに、「1Rの家賃相場」「1Kの家賃相場」「通勤(通学)目的駅」「その他の重要な駅1」「その他の重要な駅2」「その他の重要な駅3」とかを入れ込んで、駅の利用頻度とかから、トータルに便利な場所を検出するとか、やってみるのはいいかもしれない。

 ↓たとえば、こんな感じで重要度の設定とかをやってみる

 

「1Rの家賃相場」 重要度3

「1Kの家賃相場」 重要度10

「通勤(通学)目的駅との距離」 重要度5

「その他の重要な駅1」 重要度1

「その他の重要な駅2」 重要度0.5

「その他の重要な駅3」 重要度0.5

 

 みたいな。それぞれの変数の重要度は人によってケースバイケースで変更すればOK。

 確かに、これが、ネット上の家探しサイトにこういう機能がもともと入っていたらけっこう便利ではある。

 引っ越し候補駅って、迷うだけなら、クリティカルな意志決定要因がないかぎり何時間でもウダウダと迷ってしまえる。なので、個人的なトレードオフのある変数を可視化して、迷っている脳内構造をなるべく可視化してみよう!と思った場合にはよいです

 別に、こういうことをやったからといって、「本当に合理的な意志決定」ができるみたいなことができる、ということを言いたいわけではなくて、そういう発想になってしまうとしたら、それは欺瞞でしかないとは思うけれど、「自分内の納得感を高める」ということぐらいにはある程度は貢献可能かと思います。

※こういった選択がもっている合理性の限界についての簡単な注釈:

 現在手持ちの材料で塾考しても、結局は、実際に住んでみたら、いろいろ問題が起こります。多くの場合「今まで気づかなかった要素(変数)」が、表面化することが多いわけです。今まではあたりまえのように享受できすぎていたため、いざ無くなってみるとそのありがたさに気づくもの…とか。あるいは、今まではまったく魅力を感じなかったけれど、一度その利便性に触れてしまうと、手放せなくなるモノ、とかですね。「私が気づいていない要素はほとんどありません!」と断言できるぐらいまで、自分自身にとって重要な要素を、本当にすべて理解しているのだ、という人であればかなり合理的な選択に近づくとは思います。そのような「私が重要だと思う要素リスト」を作成できるようになるために、数多くの場所に引っ越しをして、自分が何を重要だと思うかを理解する、といった別の努力が必要になるのかもしれません。

2020年7月9日追記:結婚、出産、介護、就職などの重要なライフイベントによっても評価すべき項目は変化すると思います。人生における「自分のある特定の5年」みたいなものを重視しすぎるべきではない思います。特に一人暮らしで無い場合は、家族が重視する変数を入れこむことも、とても重要だと思います。

 


【変数を加える際に参考としたところ】

図書館について

個人的には、利用できる大学図書館が家の近くにあると超たすかる。

家賃相場

http://yachin.homes.co.jp/

こちらから。家賃相場の底値感とかもこちらで判断。

24時間ファストフード(というかマクドナルド)

http://www.mcdonalds.co.jp/shop/search3/24h/search24.html

あまり人のいない深夜のマックで仕事をするのが、最近は一番よく集中できるので、個人的に重要。深夜までやってる喫茶店などでもおk。

所要時間

http://www.tokyu.co.jp/railway/railway/west/gaiyou/time_meguro.html

ここらへんを参考にした。でも、これの入力が一番めんどうだった…

変数として絶対に必要なのが、

  • 駅としては、一番よく使う職場の最寄り駅(六本木 or 麻布十番 or 乃木坂)。

ついでに入力したのが、

  • 次によく使うのが、毎週仕事で一回行く大学の最寄り駅(日野)と、
  • あとは、実家(青葉台 or 十日市場 or 三ツ境

面倒なので省いたのが、

  • また別の研究所に週一回行くので、そこの最寄り駅(溜池山王 or 虎ノ門 or 霞ヶ関)。ただ、これは職場に行くのとそれほど距離的に変わらないので。同じ路線上にあればOKぐらいの気分だったので省いた。
  • それと、仕事上のつながりでどうしてもしょっちゅう行くところの最寄り駅(本郷三丁目 or 東大前)。これも、まあ一本の路線とかで行けると便利だけれども、面倒なので省いた。
  • あとは、渋谷、新宿など待ち合わせ場所etcとしてよく使われる場所への距離。これも省いた。
「個人的ネタ度」

個人的には、一度足立区とか、新大久保とかに住んでみたいと思っていたのだけれども、職場へのアクセスが微妙にまどろっこしい雰囲気なので、そもそもの候補から除外。あと、「ぼく、自由が丘に住んでるんです」とか「下北沢に住んでるんです」というのは何かしらのアイデンティティティの選択なんじゃね?的なところで、捉えられるめんどくささとか、いろいろ発生するわなー、うーむ……とか考えつつも、なんとなく入れ込んでみたハイパー適当変数。

 

【付け加えなかったけれども、できれば付け加えられればよいな、と思った変数】

 ほかにも、付け加えられる変数はいろいろあるとは思ったけれど、めんどくさかったので付け加えなかった変数

1.23区の犯罪発生率

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/yokushi/yokushi.htm

2.国土交通省ハザードマップポータルサイト

http://www1.gsi.go.jp/geowww/disapotal/

3.大きめのゲーム屋、TSUTAYA、本屋(ジュンク堂とか)

ちょっと前だったら超重要だったのだけれども、最近はamazonさまのおかげ?か、リアル店舗がなくても、けっこう生きていけるので省いてしまったなう…。

4.個人所得指標

http://www.jps-net.com/database/statistics/kojin_shotoku.html

家賃以外の、周囲の物価の平均価格や町の雰囲気にある程度影響する…場合もあるかも。でも、まあ駅の家賃相場のほうがだいたい同じ内容の意味をより詳細に含んでいる場合が多いのでスルー。

5.急行が止まる駅かどうか

これは結構重要だとは思ったけれど、スルーした。

***

 あとは、あたりまえだけれども、上記の意志決定支援Excelは、あくまで「最寄り駅」を選ぶ際の支援Excelであって、実際の物件にあたる際には、「バス・トイレ別」「南向き」「コンビニの近さ」「スーパーの近さ」「駅からの距離」「その他の近所の利用しやすい施設」etc....を変数として入れ込む必要は発生する。そこは、また別の意志決定の仕方が必要だろうとはおもう。

*1:まず、最初の候補の選定手順は、1.職場(六本木、GLOCOM)と、毎週一回行くところ(虎ノ門日本財団ビル)に行くかどうか