ゲーム以外の雑記(井上明人)

最近は、ほとんどキーボードの話をしています。

独自配列普及の阻害要因

まあ、いくら打鍵効率をあげようとも問題の根っこはそこの数%の改善ではないよなとは思う。ただまあ、数%の改善は沼としてはとても楽しそう。

配列タイプキーボード・ハードの制約上の問題キーボードの印字の問題エミュレーションソフトの導入の必要スマホ/タブレット等の対応の問題知名度の問題ビジネスモデル上の見通しのなさ学習文字数期待される入力省力化
QWERTYローマ字-QWERTY------00
JISかな-JISかな-----約5030-35%
QWERTY省力化-AZIK--5以上2-20%
QWERTYローマ字-SKY、けいならべ-約300-15%
センターシフト-薙刀式、新JIS-約5030-50%
中指シフト配列清濁同置月配列-約5030-45%
中指シフト配列清濁別置ぶな配列-約8030-50%
中指シフト配列拗音拡張あり新下駄-100以上35-55%
ニコラ(親指シフト標準規格)ニコラ-約5035-45%
その他の親指シフト配列清濁同置小梅配列約5035-45%
その他の親指シフト配列清濁別置飛鳥配列約8040-50%
その他の親指シフト配列拗音拡張あり蜂蜜小梅配列100以上40-55%

こうして一覧して見ると、普及を考えた場合には月配列、薙刀式はかなり総合成績が良い。 わざわざキーボードを選ぶ必要もないし、学習コストが比較的低い割にはQWERTYから移行した場合のメリットが十分にある。

飛鳥配列123 自分用カスタム版(ver 0.2 )

あまのあすかの拗音拡張を練習しようかとおもったのですが、定義ファイルをみてみると想定よりも少し覚えにくそうだったので、 ほぼ覚えやすさメインで、あまのあすかを参考にしつつ独自に配列を少しカスタムしました。

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ver 0.1の記事

自分向けアトピー対処フローチャート

成人男性、アトピー歴1994年~2016年まででした。現在は寛解しています。

信頼性の高い情報をお求めの方は、公益社団法人日本皮膚科学会(2018)「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018」をご確認下さい。

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf

なお、下記のフローチャートはあくまで患者個人の病識を示す以上のものではありませんので、その認識の上でご覧ください。個人のかかえる症状によって対処は異なってくるとおもいます。とりわけ、小児や妊婦の方や重症度の高い方は、医療機関にご相談されることを強くおすすめいたします。

フローチャート

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使い方

  • 左下からスタートします。

  • 黒い四角にたどり着いて、一旦その対策をしてみてから一週間ぐらいしても効果がでなければ、もう一度最初からチェックしていきます。何周か周回して、疑わしい要因から優先して順番に潰していけば、ある程度よくなっていくかと思います。

2019独自配列選択のためのてきとうフローチャート

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てきとう理解1:独自配列選択のトレードオフ

標準規格 vs 新配列

標準規格の利点
  • 利点:ネットワーク外部性が高い。つまり対応機器が多くあり、使用者数も多い。また、すでに慣れているのでスイッチングコストもかからない。

  • 欠点:新規に学ぶ場合の習得コスト、高速打鍵、長時間打鍵における疲労軽減のどの観点からみてもすでによりすぐれた後継方式が存在する

独自配列
  • 利点:何かしらの意味で合理性の高い配列になっており、高速打鍵をするにせよ長時間打鍵をするにせよ、優れた設計思想による配列となっている

  • 欠点:習得コストがかかる。環境設定が必要。自分以外の人のPCを触りにくくなる。

トレードオフの乗り越えを目指した配列の例
  • orz配列:右シフトに対応するキーの位置を一つ右にずらした配列。多くの標準的な日本語キーボードで「変換キー」(右シフトとして運用される)の位置は、親指シフト用キーボードよりも少し右にずれているが、orz配列を使えばこの問題は概ね解決できる。

習得コスト VS 打鍵性能(速度や疲労)のトレードオフ

習得コスト重視の場合は、次の要素を大切にする
  • 清濁同置:「ば」「ぱ」「は」の位置が同じキーで打てれば覚えるのは楽。ただし、日本語コーパスもとずいた指の負担の最適化ということを考えるとマイナス。

  • シフトの機能が少ない:新JISや薙刀式は、センターシフトを採用しており覚えるべき文字の数が少ない。ローマ字入力は、そもそもシフトを押す必要がない。

打鍵性能重視の場合は、次の要素を大切にする
  • 高速打鍵重視の場合は、ただひたすらに1アクションで打てる文字数を増やす。ただし、1アクションで打てる文字を増やすというタイプの実装は基本的に習得コストと、打鍵速度のトレードオフがある。たとえば、「ぎゃぎゅぎょ」などの拗音を1アクションでうてるようにする拗音拡張や、「ば」「ぱ」「は」の位置を関連付けない清濁別置は習得コストが上がる。

  • また、打鍵の疲労軽減を目指すタイプの配列方式(つばめ配列など)の場合は、使うキーを限定する傾向にあるため一つのキーがこなす役割が増えてゆき、これもまた覚えるのが大変。

トレードオフのなかの位置づけ
  • ざっくりと習得コスト高いものは、拗音が1アクション、清濁別置、シフト機能が複数(親指シフト、中指シフトで左右別機能)。習得コストが低いものは、清濁同置、シフトの機能が少ない。

  • 敷居が低い印象順にざっくりならべると、AZIK-----独自ローマ字配列(SKY、けいならべ)-----新JIS規格,月配列----薙刀式-小梅配列---かえであすか-飛鳥配列-------------蜂蜜小梅-あまのあすか、新下駄----つばめ配列----------------Steno word

打鍵性能のうちのどこを重視するか:高速打鍵 vs 疲労軽減のトレードオフ

  • 「1アクションで打てる文字を増やす」「日本語コーパスに基づいた解析を行ない、配置を最適化する」というのは、高速打鍵をめざすにせよ、疲労軽減を目指すにせよどちらの利用者にとってもありがたいことだが、そこから先の運指をどのように設計するかについては、高速打鍵派と、疲労軽減派の間での若干のトレードオフがある。

  • 日本語コーパスに基づいた最適化は、最近の配列はほとんどのものが行っているが、アルペジオの重視と、小指負担のコントロールについては、配列によって温度感が違う。

疲労軽減を重視するものの場合は、次の要素を重視する:
  • 同手の連続打鍵(アルペジオ)を重視:「です」、「ます」、「する」などを同じシフトキーを押したまま打てるようにする。いわば、1音ごとの日本語コーパスの解析ではなく、2音以上の日本語コーパスの解析に基づき、連続しやすい音については同手の連続打鍵がうちやすいようにしている。

  • ホームポジションを重視:ASDF、JKL+のキーを使う頻度をあげる。YBあたりのキーは、ホームポジションから遠いのでなるべく使わない。

  • 小指に負担をかけないことを重視:よく使う音を小指以外にまかせるのは当然として。なんだったら「@」「*」「P」「/」あたりのキーからは割当自体をなくす。

  • 機能キーをホームポジション近くに持ってくる

高速打鍵を重視する場合はその逆で、上記の要素をそれほど重視しない
トレードオフのなかの位置づけ

高速打鍵重視系の発展形として疲労軽減をより強く目指すものがあるという感じで、 飛鳥配列には、アルペジオホームポジション、機能キーへの配慮がみられ、 薙刀式は、さらにアルペジオ重視とホームポジション重視に踏み切っている。 つばめ配列は、ホームポジションの重視のみをごりごりやって、習得コストも、アルペジオも捨て去っているという印象。 Steno wordは、習得コスト概念を完全にどこかに忘れてきて超打鍵を達成している印象。

てきとう理解2:最強感のある配列

  • Steno Word:ダントツの最強感があるのは、StenoWord。習得するのに一年では済まなさそうだし、そもそも市販されていないが習得コストさえ度外視すれば、発話速度を超える速度で打てる最強感が半端ない。圧倒的な範馬勇次郎感がある。アンタッチャブル
  • 新下駄:Steno wordまで極端にいかないなかでは、学習コストをすこし多めに払えば、効率性最高クラスの一角。
  • 飛鳥:新下駄が計算的につくられたスマートな配列だとすれば、人間のヒューリスティクスの積み重ねでつくられた配列ということでは泥臭い配列の極み。
  • 薙刀式:様々な先人たちの知恵を総合しているものとしては薙刀。実証的にはまだわからないところもあるが、思想的にはスマート。一見、めんどくさそうな配列にみえて、実はセンターシフトなのでそこまでキーボードを選ばないというあたりも魅力。
  • 蜂蜜小梅:合理的な配列に加えて、段階的に成長ステップが踏めるという点では蜂蜜小梅配列、あまのあすか配列あたりは主人公味がある。習得を少し急ぎたいなら小梅。どうせ少しぐらいしか習得コストが変わらないと考えるのなら飛鳥という感じなのでは

また、かえうちの統計をみると、独自配列ユーザーのなかでは、新下駄、飛鳥、AZIK、月配列などが多い(といっても550人中で10名いるかいないか)ようです。

ref

書き終わってから気づきましたが、下記の小梅配列の作者の方によるものが、このエントリと同系統のコンセプトのようです。

61degc.seesaa.net

2019配列沼マップ的なもの

ここのところ配列系のサイトをいろいろ見ていたので、配列素人なりの脳内整理というぐらいのノリで作りましたので、貼っておきます。

恐縮ながら、おそらく間違いがあると思いますので、発見されましたらご指摘いただければ、幸いです。

(関連性のネットワークを、よりきちんと書くと2次元の限界が出てきますので、その点はご容赦ください。)

#2019/07/12 追記 ご指摘いただき、ちょこちょこ書き換えて新バージョン作りました。大岡さま、kouyさま、semialtさまに感謝いたします。

(Ver.4) 

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配列関連トピックまとめ

論点

1.日本語のコーパス

きしうてんいかた


2.運指の負担

打ちやすい位置:homeposition+UIORE

打ちにくい位置:YB@T

小指の負担:利き手の小指にどれだけの負担を強いるか

3.習得コスト

濁音、半濁音

拗音

長音


4.アルペジオ(片手の連打鍵)

「ます」「です」など


5.機能キーの配置

ENTERキー、方向キー、F7などの位置


6.約物の配置

ソースコードをうたない人にとっては、「」『』()・…ぐらいしか問題ではないかもしれないが、ソースコードをうつ人にとっては*}{`?_/\]:@[#$%&'()などの約物類の位置も大きな問題になる。

7.疑似配列

orz配列など

 

 

配列

  • ニコラ:親指シフトのスタンダード
  • 飛鳥:日本語コーパスに基づき、運指負担最小化をした親指シフト。連続シフトを考えた配列でもある。習得コストはやや高い。
  • あまのあすか:拗音拡張をした飛鳥配列。
  • かえであすか:機能キーよりもかな配置をより重視した飛鳥配列という認識。
  • 小梅:左右交互打鍵を重視した親指シフト系配列。普通のキーボードで使えて日常生活に寄り添うことを目的としているとのこと。
  • 蜂蜜小梅:拗音拡張をした小梅配列。
  • 薙刀式:アルペジオ重視。ホームポジション重視
  • 新JIS:JISかなの発展版。センターシフト方式。
  • 月:中指シフト方式。DとKで左右のシフトをやるらしい
  • 新下駄:中指シフト
  • TRON
  • SKY:
  • けいならべ:
  • カタナ式:
  • ステノワード

かな入力

  • JISかな

 

 

 

配列ソフト

  • やまぶき
  • やまぶきR
  • 紅皿
  • DvorakJ
  • Japanist
  • 姫踊子草
  • のどか
  • Karabiner(Mac)
  • かえうち

 

キーボード沼

  • 荷重
  • B下割れ
  • スイッチ方式etc..

 

参考

大岡俊彦の作品置き場「【入力の話1】親指シフトよりいい方法が、少なくとも10個ある」

http://oookaworks.seesaa.net/article/456683570.html

飛鳥配列123 井上カスタム版 やまぶきR設定用(ver1.11.1用)

 

ほぼ飛鳥123と同様ですが、機能キーの位置などが少しだけ自分のニーズと違うので自分用のカスタム版です。

 

 

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■変更点

<シフトなし>

Del → 上 理由:DelよりBSの方が使うので削除。「↑」は変換確定処理に。

Esc → 下 理由:「↓」は変換確定処理に重要なキーなので。

左 → 右 理由:下の位置に対応させて変更

% → BackSpace 理由:BSをよく使うので

 

<右手シフト>

~ → ご 理由:「ご」が押しにくいわりに「~」は殆ど使わないので交代。

ご → ~ 理由:「ご」が押しにくいわりに「~」は殆ど使わないので交代。

 

<左手シフト>

右→{

上→}

<拡張親指シフト>

拡張親指シフトを押したときに、WASDが、上下左右になるようにしました。

また、10キー的なものも配置しました。