ゲーム以外の雑記(井上明人)

最近は、ほとんどキーボードの話をしています。

メモアプリの評価基準

 

  • メモアプリはいろいろあるが、いくつかの側面から評価できる。
  • 評価基準を下記に書き出してみる。
メモアプリの評価基準

1 値段

  • 安いにこしたことはないが、ビジネスモデルが貧弱すぎるサービスだと、長期的にサービスが保守されない可能性が高い。

2 文字編集の基礎機能:Wordプロセッサーに準じる柔軟な編集環境

  1. 見出しを扱える
  2. 太字を扱える
    1. ショートカット(Ctrl + B)などがあると良い。
  3. リスト表示を扱える
  4. 表を扱える
    1. 単に扱えるだけでなく、コピペで済むと良い。
  5. 図を扱える
    1. 単に扱えるだけでなく、コピペで済むと良い。
  6. 検索・置換機能がある
    1. 正規表現に対応しているかどうかも重要
  7. アウトライン機能
    1. アウトラインモード(Workflowyなど)
    2. 構造化エディタとしての機能
  8. 脚注の使いやすさ
  9. 文字の回り込みの制御
  10. 書体の変更
  11. スペルチェック等(textlint)
  12. CSSが適用可能か
  13. ホットキー、ショートカットがきちんとしているか(Vim

3 データが長期的に残るかアーカイブ可能性

3.1 オフラインにデータが残るかどうか(紙copi, obsidian)

  1. 標準的にオフラインにデータが残るというのは、データがいつのまにかなくならないという意味で非常に重要

3.2 オフラインにデータが残らない場合、下記の要件を評価

  1. データのエクスポートのしやすさ
    • 一括でのエクスポートに対応してくれていないサービスは、正直、キツい。
    • 後述のデータ互換性も大事(独自形式で吐き出されても、データ移行がしにくい)
    • データ形式が一般的でも移行しにくい形式だとやはりキツいので、メタデータ等が標準化された形式に準拠しているところのほうがよい。 (サービス終了のタイミングでユーザー数が膨大ならなんとかなるという説もある)
  2. 運営会社・サービスの規模、安定性、収益性
    • 長期的にはサービスが潰れる可能性は高い(geocitiesとか)
    • サービスが潰れなくとも、いきなり有料化したり、経営者が変わって阿鼻叫喚になることはあるので無料ならいいというもんでもない。
  3. サービスのアップデート、バージョン更新頻度
    • バージョン更新がないものはそのうちに扱えなくなる。
  4. プログラム/CMS等の言語の後方互換性に期待が持てるか
    • 10年前に、phpつくったCMSが軒並みつらいことになっている)

3.3 データの互換性:独自形式ではない

  1. txt > md > html > odf, rtf, epub, tex > docx > 独自md > pages, jtd
  2. pandocで変換して運用がしやすければOK

4 多機能性

4.1 プラグイン拡張が可能か

  1. プラグインのインストールがしやすいか
  2. プラグインの開発コミュニティが盛んか(間接的ネットワーク外部性が高い)
  3. 自分でもプラグインが開発できるそうか
  4. 現状で提供されているプラグインに自分が求めるものがあるか

4.2 標準機能の多機能さ

4.2.1 オンライン機能
  1. バイス間での運用のしやすさ(≒クラウド
    1. クラウド利用が無料(dropbox paper)
    2. クラウド利用が一部有料(evernote)
    3. クラウド利用が全て有料(obsidian)
  2. 多人数による同時編集(dropbox paper, google doc,notion, miro等)
4.2.2 端末内連携機能(他アプリとの連携)
  1. office連携(MS Onenote
  2. カレンダー連携(google keep)
  3. 地理情報連携(google keep)
  4. カメラによるOCRの連携(iOSメモApp)
4.2.3 メモ間の連携機能
  1. タグによる実装
  2. 記事間リンクによる実装(wiki系列)
  3. マインドマップ機能
  4. アイテムのカード化(miro, todoist)

5 開発環境としての評価

5.1 高速性(EmEditor, 秀丸)

  1. 起動の速さ
  2. 巨大ファイルが安定的に開くか
  3. 正規表現による大量置換処理が早くて安定しているか

5.2 各言語のファイルの扱いやすさ:

  1. ソースコードの入力支援機能
  2. 対応している言語の数

5.3 各種のデータファイルの使いやすさ

  1. CSV, TSV, json, xmlなど

5.4 ターミナルが起動できるか(vscode, sblime txt)

5.5 直接プログラムを動かせるか(Jupyter Notebook, R Studio, Google colab)

6 その他の印象の良し悪し

 こうしてみると、メモアプリに何を使うかについて、自分は、それなりにこだわりがあるんだな……という気がする。
 特に、他の人とちょっと違うポイントとしては、まあ作ったメモデータの保守性の部分だろうか。数年後とかに、昔書いたメモが必要になることはけっこうあるので、何かしらの都合で、全滅されてしまうとちょっとつらいところがある。
 
あと、obsidianは、概ね快適だけど、まだこまかな機能のバグみたいなのとか、使い勝手の悪さは正直、ちょこちょこはあるかな、という印象はある。上記の番号付きリストがいまひとつな感じになってしまっているのは、まあ処理が難しいのだとは思う。
ここらへんは老舗サービスと比べると、まあ、あと数年は見たほうがよさそう。